永明寺
- 県指定 有形文化財(建造物)
津和野城跡の山の北端のふもとに位置し、城下町中心の後田からJR山口線をわたり、100mほど進んだ先、左手に一段高い墓地、右手先に杉並木が始まる、アスファルト舗装がされていない参道が現れます。右手に小川の水音を聞きながら参道を上り進むと石段の上の山門に達します。門をくぐると一面の広場がひらけ、右手に上の写真のような光景が拡がります。
永明寺は覚皇山と号し、曹洞宗に属し、山門の両脇に水路(通常は水が流れていない) を配する様子は永平寺のそのものと同様の形態を取っております。
本堂は茅葺で唐破風型の向拝を持ちます。安永8(1779)年(棟札)建築であり、そのほかの建物は石州瓦を葺き、庫裏・書院・鐘楼は棟札より安政6(1859)年建築となっています。
当山は中世の永享から永世(1429~1521)のころに吉見氏により創建され、以後は引き続き、近世の江戸期に入っても津和野藩の初代藩主坂崎家からそのつぎの藩主亀井家の最後の藩主が神道に改宗するまでの間、菩提寺となっていました。
本堂前には、中門から本堂に向かう歩道が延び、庫裏の側面に沿う吹き放し廊下に規則正しく建つ柱が立ち並んでおり、静けさと同時に凛とした厳しさが漂う空間となっています。
(令和2年)現在は、本堂正面の屋根の葺き替え工事等をおこなっており、ひきつづき庫裡の屋根の葺き替え工事等にも着手予定です。
敷地裏、書院に面した主庭。